2016年11月 6日 (日)

不動産を売ったときの税金 その2

不動産を売ったときにかかる税金のお話しです。

 

不動産を交換した場合はどういった取り扱いになるのでしょうか。

 

交換?売ってないやん!譲渡益出んやろ!

 

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、税務上「交換=譲渡+取得」という取り扱いになります。

 

即ち、一旦時価で譲渡したものとみなして(同時に時価で取得したものとみなして)処理されるので譲渡益が発生します。

 

しかし、交換の場合手元にお金が残りません。にもかかわらず税金を払えというのは酷ではないでしょうか。

 

そこで一定の要件を満たす交換については譲渡益を繰り延べるという特例が設けられています。

 

主な要件は下記のとおりです。

 

(1)交換する資産が同じ種類であること。

土地と土地、建物と建物・・・○

土地と建物、建物と土地・・・×

 

(2)交換する資産が固定資産であること。

不動産業者が持っている棚卸資産・・・×

 

(3)それぞれの所有者が一年以上所有していたものであること。

 

(4)取得資産を交換譲渡資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。

土地の場合 宅地と宅地・・・○

      宅地と駐車場・・・×

建物の場合 工場と工場・・・○

      工場と倉庫・・・×

 

(5)譲渡資産の時価と取得資産の時価との差額が20%以内であること。

譲渡資産10,000千円、取得資産8,000千円(交換差金2,000千円貰う)・・・○

譲渡資産10,000千円、取得資産14,000千円(交換差金4,000千円払う)・・・×

(これはあまりに時価がかけ離れているものは交換とはいえないという理屈です)

 

譲渡益繰延額の具体的な計算例は下記のとおりです。

 

譲渡土地簿価 1,000千円

取得土地時価 20,000千円

譲渡土地時価 23,000千円

受取交換差金 3,000千円

 

譲渡益 譲渡土地時価23,000千円-譲渡土地簿価1,000千円=22,000千円

 

譲渡益繰延額 取得土地時価20,000千円-譲渡土地簿価1,000千円=19,000千円

 

課税される譲渡益 22,000千円-19,000千円=3,000千円

 

すなわち交換差金を受け取った分(3,000千円)については税金をかけますよということになります。これは担税力があるからですね。

ちなみに上記ケースでは取得した土地の簿価は1,000千円となり、譲渡土地の簿価と一致します。

この制度を使うと新しく取得した土地の簿価が1,000千円(取得土地時価20,000千円-譲渡益繰延額19,000千円)となりますので、将来この土地を20,000千円で売った場合には19,000千円の譲渡益が発生します。

 

即ち、「譲渡益を将来に繰り延べる」ということになります。

 

上記制度は法人個人共に利用することができますが、利用するためには色々と細かい要件の確認や書類の準備が必要となりますので税理士にご相談されることをおすすめいたします。

 

もちろんあすか税理士法人でも対応可能ですのでぜひお問い合わせ下さい。

 

あすか税理士法人

 

大井 幸助

2016年10月26日 (水)

相続税タワーマンション節税にメス

皆さん、タワーマンション節税はご存知でしょうか?

 

一言で言いますとタワーマンションの高層階を購入して相続税を安くするというものです。

 

どういうこと?とお思いの方は下記をご覧下さい。(ご存じの方はページ下部まで読み飛ばして下さい)

 

まずマンションの相続税評価額がどのように計算されるかご存知でしょうか?

土地部分はいわゆる路線価を基に計算し、敷地権割合を掛けて算出します。

建物部分は固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。→ここがポイントです。

実はマンションはどの階でも面積が同じであれば固定資産税評価額は同額となります。

でも実際に購入する場合はどうでしょうか?

高層階の部屋の方が高いですよね?

すなわち、時価と相続税評価額の乖離が大きくなります。(時価>相続税評価額)

ということは例えば2億円のマンション(相続税評価額は5千万円)を購入すると一気に1億5千万円も相続財産を圧縮できることになります。

 

(飛ばされた方はこちらからご覧下さい)

 

上記の状態、意図的かつ合法的に相続税を低く抑えられるため国はおもしろくありません。

ですので税制改正を検討しているようです。

 

どういった改正かと言いますと、「高階層ほど固定資産税評価額を高く、低階層ほど固定資産税評価額を低くする」というものです。

 

こうすることで時価と相続税評価額の乖離が少なくなり、うまみが減ります。

 

政府は来年の税制改正大綱に盛り込み、2018年度から実施する予定のようです。

 

今あるマンションはどうなるのか?どういった方法計算で高階層と低階層に評価額を振り分けるのか?現時点では不明ですが、これから相続税対策のためにタワーマンション高階層の部屋を購入しようと考えられている方、すでに対策のためお持ちの方、今後の税制改正の動きを注視しましょう。(ちなみに改正されると固定資産税も増税となります・・・)

 

私はこの節税策を以前から知っておりましたが「いつかは歯止めがかかるだろうな」と思っていました。昔から、新しい節税策が流行りだす→税制改正で抑え込む→また新しい節税策が流行り出す→また税制改正で抑え込む、の繰り返しです。現在でも私の中ではこれもいつかは歯止めがかかるだろうな・・・というものがいくつかあります。そういったものも含めて今後の動きを注視していこうと思います。

 

相続税対策は生前から行わないと意味がありません。

お亡くなりになられてからできることはほぼ皆無です。

また納税資金をどう確保するかが一番大事だと私は考えています。

相続税を抑えるためにお持ちの土地にアパートを建てたり、新たに不動産を購入したりされておられる方を良く見ます。

納税資金は大丈夫ですか?その不動産、相続人の方々に喜んで引き継いでもらえるのでしょうか?売っても二束三文になりませんか?

今一度良く考えてみてはいかがでしょうか。


あすか税理士法人

大井 幸助

2016年8月29日 (月)

生産性向上設備を購入した場合の償却資産税の軽減

平成28年7月1日より中小企業等経営強化法が施行されました。


この法律の趣旨は簡単に言うと「中小企業のみなさん、国が色々と支援するので事業頑張って下さいね」というものなのですが、その中に生産性向上設備を購入した企業はその分の償却資産税を安くしますよというものがあります。


まず、特例を受けられる企業の規模は資本金1億円以下の企業に限られます。(資本金1億円以下の企業でも資本金1億円超の法人に一定割合を支配されている法人は特例を受けられません)


上記のうち一定の事業を行う企業が以下の要件を満たす生産性向上設備を平成28年7月1日以降に購入した場合に一定の手続きを行うことで3年間償却資産税が2分の1になります。


1.販売開始から10年以内のもの

2.旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上するもの

3.160万円以上の機械及び装置であること

(法人税において特別償却や特別控除の適用を受けられた生産性向上設備促進税制のA類型と似ていますが、最新モデル要件がないことや企業の規模に縛りがあることが違います)


具体的な手続きの流れは下記のとおりです。


1.工業会等による証明書を設備メーカーと通して入手する。

2.行っている事業を管轄しているところ、例えば貨物自動車運送業を営んでいる大阪の企業であれば近畿運輸局にその設備を導入した場合の「経営力向上計画」(結構簡単な内容です)を提出して認定を受ける。(その際に1の証明書が必要となります)
・・・取得日から60日以内に受理される必要があります!


3.償却資産申告の際に1と2の書類を添付する。


対象業種の確認や経営力向上計画の策定支援については経営革新等支援機関であるあすか税理士法人でもお手伝いできます。お気軽にお問い合わせ下さい。


あすか税理士法人
大井 幸助

2016年6月 6日 (月)

不動産を売ったときの税金 その1

所有していた不動産を売ったときに発生した譲渡益、どうにか圧縮できないものでしょうか。


かなり大昔から所有していた不動産を売却した際には多額の譲渡益が生じることが多々あります。(購入価額が今の物価で考えたときには格安なため)


せっかく手にした売却金も決算を迎えれば税金としてだいたい3割は持っていかれてしまいます。


でも実は不動産の譲渡益については課税の繰延べや特別控除などの優遇税制がたくさんあります。


その優遇税制のうち特に有名なものを数回に分けてご紹介したいと思います。


No1.収用があった場合


国が道路拡張のために土地を強制的に買い上げてきた・・・こういったケースに遭遇してしまった場合税金はどうなるのでしょうか。


確かにお金は入ってきますが強制的に土地はとられる、税金もとられるではあまりに気の毒ですよね。


ですので国は譲渡益のうち5千万までは税金をかけませんよという制度を作ってあります。


この制度を使えば、


1千万で買った土地を1億で売った。譲渡益は9千万だが5千万の特別控除を差し引いた4千万に対してだけ税金がかかる。



ということになります。


売ったお金で別の不動産を買うと「圧縮記帳」という別の特例も受けることができます。(ただし、上記の特別控除との併用はできません)


これは譲渡益を将来に繰り延べてもいいですよという特例です。


この制度を使えば、


1千万で買った土地を1億で売った。譲渡益が9千万発生。ただし、売却金の1億で別の土地を買ったので手元にお金は残りません。だったら譲渡益9千万は一旦なかったことにしてあげますよ。



ということになります。


この制度を使うと新しく買った土地の取得価額が1千万(購入価額1億-譲渡益9千万)となりますので、将来この土地を1億で売った場合には9千万の譲渡益が発生します。


即ち、「譲渡益を将来に繰り延べる」ということになります。


上記制度は法人個人共に利用することができますが、利用するためには色々と細かい条件の確認や書類の準備が必要となります。


またこういった特例は税制改正の頻度が高いのも特徴ですので専門家にサポートをお願いすることをおすすめします。


何かお困りの際にはぜひあすか税理士法人にお問い合わせ下さい。


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大井 幸助
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