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2017年2月 6日 (月)

事業譲受けにより発生する賞与引当金の取り扱い

法人が事業の譲受けなどを受けた場合に法人税法上「資産調整勘定」や「負債調整勘定」と呼ばれるものが発生する可能性があります。

 

 

例えば資産100、負債20を有する事業を50で購入した場合、いわゆる清算価値より30安く購入できていることになり、ここの部分(安く購入した場合は「負債調整勘定」)の処理はどうするのかという疑問が生じるかと思います。

 

 

結論としては原則として5年均等で益金に算入する形となります。

 

 

ただしいくつか例外規定があり、今回はその中で「短期重要負債調整勘定」と呼ばれるものについて国税庁HPに質疑応答事例が公表されていましたので取り上げます。

 

 

「短期重要負債調整勘定」とは事業譲受けなどの際に発生する下記の要件を満たすものです。

 

 

① 移転を受けた事業の利益に重大な影響を与える債務であること

 

② 退職給与債務引受けに係る債務以外の債務であること

 

③ 既に履行をすべきことが確定している債務以外の債務であること

 

④ その履行が事業の譲受けの日からおおむね3年以内に見込まれるものであること

 

⑤ 移転を受けた事業について生ずるおそれのある損失の額として見込まれる金額であること

 

⑥ ⑤の金額が移転を受けた資産の取得価額の合計額の20%相当額を超えること

 

 

上記の要件を満たすものはその損失が発生した際か事業譲受けから3年を経過した際に益金算入する形となります。

 

 

では事業譲受けの際に発生した「賞与引当金」「短期重要負債調整勘定」に該当するのでしょうか?

 

 

これは上記要件の⑤に記載されている「損失」には該当しないため「短期重要負債調整勘定」には該当しないと公表されました。(専門家の間でも意見が割れていたようです)

 

 

すなわち単純に税務上の資産と負債の差額概念である「差額負債調整勘定」として5年間で益金算入する形となります。

 

 

私見ですが、「差額負債調整勘定」で処理する場合手間は楽になるのですが、益金と損金の対応を考えると「短期重要負債調整勘定」として処理する方がしっくりきます。

 

大体のケースでは「差額負債調整勘定」で処理した方が益金算入が繰り延べられる形となりますのでそういった面を考えると納税者有利な方法となります。

 

 

事業譲受け時の税務処理や組織再編などについても弊社で対応できますのでお気軽にお問合せ下さい。

 

 

あすか税理士法人

大井 幸助

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